原井宏明の情報公開
原井のブログ〜やさしい精神科医療の選び方〜 OCDの会(自助グループ)
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うつ病の行動療法カウンセリング

私たちが行っている行動療法カウンセリングは,うつの気分に対するエクスポージャーと行動活性化,活動スケジューリングを中心に行います。1回が30分〜1時間のセッションを定期的に7,8回繰り返すことで,うつや疲労感,失敗を恐れることがなくなることを目指します。

この行動療法カウンセリングの特徴

一般の認知行動療法とは異なり,積極的に嫌なことや「うつ」,疲労を起こすことを狙っています。他人に対する劣等感や申し訳なさ,過去の自分との差など,恐れていることを丁寧に聞き出し,嫌な考えや気持ちを積極的に経験するようにするのです。薬やリラクセーション,認知療法などで不安や不眠,嫌な考えを抑えるやり方とは,全く逆の方向を向いていることになります。うつや疲労感,健康な他人や健康だった昔の自分との違いにこだわり,避けることをやめられるようになります。

うつ病の本質

ほとんどのうつ病の患者さんは,「自分のうつは異常,こうなったのは過去の経験のせい,今の自分には止めることも,やめることもできない,気分が落ち込まないように気をつけるしかない,気分が落ち込みそうになったら薬を飲むしかない」と思っています。これは半分本当で,半分間違いです。憂うつな気分が「勝手に起こってくる脳の働き,止めることもやめることもできない」,というのは本当です。「自分の気分は異常だ」と「ならないように気をつけるしかない,なりそうになったら薬を飲むしかない」が間違いです。

うつは異常か?

今は5人に1人がうつ病と言われています。うつ病の最低の期間は2週間です。そして半数の方は3ヶ月以内で治ります。病院を受診するようになった方も,プラセボ(有効成分を含まない偽薬)で7割以上の方が2ヶ月以内に治ってしまうのです。2週間うつだったけれど,3ヶ月で自然に治った,という方もうつ病に含めれば,日本人の半分はうつ病ということになるかもしれません。こんなに多い病気を,“異常”と呼ぶならば,誰が正常なのかわからなくなってしまいます。たとえば,近眼の人は,正常な視力の人よりも多いのです。近眼は異常ではなく,不便なだけなのです。うつも同じです。うつ自体は異常ではありません。ただ不便なだけです。その不便を恐れ,二度と起こらないように,避けるようにしていると,自然に治るチャンスを失い,1年以上つづくことになります。自然に治ってしまう人は,気分が落ち込んでも,変だなと思うだけで,そのままにしています。憂うつな気分が起こること自体は異常とは言えないのです。うつを怖がり,起こらないようにいろいろ予防線を張っていることが,異常なのです。

では何が悪いのか?

本来は無害な“憂うつ”に敏感になり,それを押さえようとしたり,避けようとしたりすることです。体の具合,気分の悪さ,そのこと自体は頭でも,医学でもどうしようもないことです。気をそらしたり,眠ってしまったり,安定剤を飲めば,確かに一時的には気分の悪さから解放されますが,それは一時的です。なんどもすれば,次第に効き目も落ちていきます。うつから逃れよう,起こらないようにしよう,と努力することが悪循環を生み出し,余計にうつにとらわれるようになるのです。

ではどうすれば?

逆をすれば良いのです。うつになった,苦しいと思ったら,「ようこそうつさん,お待ちしていました。どうぞ,私の中にいらして,ゆっくりしていってください」とできるようになれば良いのです。そして,日常の活動を中心にし,日々の生活の行動を行うようになればいいのです。

そんなの嫌!できない

当然です。うつになるのですから。うつを受け入れるために,行動療法カウンセリングでは,動機づけ面接の方法や行動活性化,活動スケジューリング,価値観並べ替え,などの方法を用います。うつを乗り越えていく毎日の生活が,自分の望みの生活だ,と思えるようにしていくのです。またグループを使い,他の患者さんと一緒に行う,他人が様子をよく観察するようにする,などの方法も用います。

具体的なメニューは?

  • 通常の診察(保険診療範囲内)であらましを解説します。頓服の整理,セルフモニタリングの宿題を出します。
  • 個人行動療法カウンセリングで気持ちをよく話すようにします。また活動スケジューリングをします。
  • 月に1回程度,グループ行動療法カウンセリングの予約をします。
  • グループでも,うつの気持ちを話し合います。
  • フォローアップ 再発予防訓練

そうするとどうなるのか

ある患者さんの感想文です。

一度よくなりかけたとき,また以前のように人の目にどううつっているんだろう、仕事が遅いから悪口を言われているかも、皆に迷惑をかけている・・・・などの感情がおそってきました。一瞬「やっぱり治ってなかったのか・・・・」と思いましたが、以前考えても考えてもどうにもならなかった事や考えすぎて辛かった頃の自分を思い出して「ここから先は考えてもどうしようもないな」こんな私も私だから仕方ないかと心から思えるようになりました。すると心がスッと軽くなって心にも余裕がでてきました。
そして周りの人にも以前より思いやりを持って接することができるようになり、そういう自分を自分で「できるじゃん!」とほめて納得していけるようになりました。前は避けていた事でも、あえてチャレンジするようになり、前向きな気持ちとパニックを正面から受け止めれるようになってきました。

うつが来たら来たとき,来ても別に困らない,というようになります。うつよ,来てください,と思うようになれば,来なくなってしまうのです。

他の方の感想文は,ここにあります。

費用や予定

初診時の診察を原井が行い,心理士がプログラムの説明,準備を1時間かけて行います。予約が必要です。毎回の行動療法カウンセリングには心理士の場合10,500円,原井の場合15,750円(税込み)がかかります。現在,新規抗うつ薬の治験を行っております。こちらに参加いただく方の場合には,カウンセリング費用はかかりません。

Last updated: 12/19/2010 14:11:14
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