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40代 女性 うつの治療を受けて

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うつ病の始まり

ある春,私は,息子の進路のことや夫との不仲,その他,度重なる心配事のため、どうにもしようもなくなっていました。更年期障害か何かだろうと考え、婦人科の門を叩いたのが、デパスとの出会いでした。
確か、不安な気持ちを和らげる薬というような説明で、服用するようになったと思います。
前のことなので、その時の気持ちをはっきりとは覚えていませんが、今、振り返って思い出すと、まず、朝、飲んで、きつくなったら又飲んで・・・と、辛さを感じたら飲んでいたような気がします。最初は、一日にそう多くは飲んでいませんでしたが、次第に回数が増えていきました。飲むと楽になる、それで安心していました。このときは,副作用があることに気づきませんでした。

デパスに頼る

1年以上も飲んだでしょうか。
また、新たな心配事が増えた時や,デパスが切れそうなときに,デパスを必ず飲むようになっていました。デパスが切れそうになると大きなため息と倦怠感、判断力の低下に気づくようになりました。禁断症状のようでした。
私は、タバコを吸った事がないのですが、タバコを吸う人が、禁断症状が出てタバコを吸いたがる気持ちって、こんなのかもしれないと思いました。

こんなに、デパスに頼っていては、デパスなしでは生きられない人生になる、そのことが、恐ろしくなっていました。

一方で,デパスを飲んでいるのに,気分や心配事は相変わらずでした。私は、自分の症状から、自分は鬱になったのかもしれないと自分から思うようになりました。単純な心配や不安だけではない,と思ったのです。
まわりの人にそのことを言うと、「違うよ、気の持ちようだよ。」という人と、「診断してもらったら?」という人がいました。
その中の一人の友達が、H医師のことを耳にして、教えてくれたのがH医師との出会いでした。

H医師の診療

初めて先生にお会いした日、初診ということで、時間をかけて、当時の私の気持ちを掘り起こしてくださいました。そして、医師として、客観的にコメントしてくださったことで、自分の立場を客観的に認識することができました。

その時に、それまで婦人科で処方され、長期に渡って服用していたデパスが、いかに安易に多くの病院で用いられていたか、その作用・副作用と今回用いる抗うつ薬との違いなどについて、具体的に示してくださいました。どの薬にも副作用が出る可能性がありますから、今回薬を変えるにあたって、起こりうる症状と対処の仕方を教えていただきました。

そして、先生から、デパスを他の薬に替えましょうといわれた時、そういう選択肢があるということが、嬉しく思われました。
何よりも心強く思ったことは、「それでも心配な時は、いつでも連絡してください。」という、温かな言葉でした。(そのお言葉に甘えて、私は一週間後にメールでお尋ねしました。すると、丁寧なお返事をいただき、安心したことをはっきり覚えています。)
確かに、長い間、依存していたデパスをやめたら、もっとひどくなるのではという一抹の不安もありました。しかし,専門家である先生のもとで、より適した薬に変えることによって、当時、横になってため息ばかりついて、息をするのも苦しいと感じていた日々から脱出できるかもしれないという希望の光の方がずっと強く感じられました。
先生には安心して相談できました。副作用も含めてオープンに話してくださったからだと思います。

抗うつ薬の服用に関しても、だいたいの服用期間と量を、具体的に示してくださったので、自分なりに先の見通しがつき、まずは当面は何ヶ月か先の自分に向かっていこうという目標ができました。婦人科の先生も親身になって診てくださっていました。しかし,この先,このままで良いのだろうか,という心配がありました。今度の先生なら,将来を任せられるという信頼感を持つことができました。

その後、定期的に診察を受けました。毎日,自分で睡眠や気分について記録する日記の指導があり,毎日書くようにしました。日記の内容と診察での問診の結果にあわせて薬の量を調整してもらいました。将来の展望も含めて調整し,その理由を説明してくださいました。症状再発予防のために薬が必要なこともある,ということでした。その場限りの一時的な症状や気分不良にこだわらずに,将来の回復にむかって共に歩んでいるのだ,という感じがしました。

このように、時間を充分とって診察していただいたことにより、その後の定期診察で患者さんが初診で入って、自分の待ち時間が長くなっても、それは全然問題ではありませんでした。むしろ、どの患者さんにも親身になっている先生の姿勢の結果だと思い、ありがたいという気持ちでした。

そして、いよいよ、薬をやめてよいという時も、少しずつ減らしていくのではなく、「スパッとやめましょう、もう、大丈夫です。」というお言葉で、とても安心した覚えがあります。わたしは、本来の自分に戻れたんだという、自信がもてました。先生が、適切な薬を処方してくださらなかったら、私は何年も続けていたデパスの副作用で、感動を知らない人間になっていたかもしれません。

先生、本当に、有難うございました。

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