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うつ病になって

  1. うつ病
  2. 気分障害(うつや躁病)の患者さん感想文
  3. 女性 うつ病1 ”うつ病になって”

 今年7月、私はうつ病になりました。性格はもともと明るく、友達からも相談などをよく受け、頼りにしてもらうことも多いように思います。
しかし、その反面、一度落ち込むとなかなか立ち直れない。人の目に自分はどううつっているんだろうと気になって仕方ない一面も持っていました。

 私が何となくうつの症状を感じ始めたのは今年1月くらいでした。
私は浪人生で2月に行われる国家試験に向けてがんばっていました。
しかし、その中でも何か心や体が重いように感じていました。
2月になって国家試験も何とか終わり、1週間後の自己採点の結果、合格点に5点足りず学校の先生からも「今年も覚悟しといた方がいい」と言われ、落ち込みましたが正式な合格発表までは信じようと思っていました。しかし、やはり今年も不合格、一緒に一年間浪人生活を送っていた友達は皆合格し、表では「おめでとう!私はまた来年がんばるね!」と笑顔で言いましたが、心の中は焦りと不安でいっぱいでした。
でも、もう一度がんばろう!と思い、2月の国家試験直後から始めたバイトに合格発表の次の日から入りました。

 それから2〜3ヵ月後、朝はとにかく辛くて起きられなくなり、夜もなかなか眠れなくなりました。休みの日は昼過ぎに起きて、ずっとTVの前に座り着替えもしない顔も洗わない家事もしない、という日が続きました。
バイトには何とか行っていましたが、バイト先でも人と話したくない急に涙がでそうになる。気持ちが落ち着かず仕事の能率は下がって怒られ「何か、暗いよ」とまで言われるようになりました。心の中ではやらなければ!と思っているのですが、出来なかったというのが正直なところでした。「私はこんなに怠け者だったのか」とますます気持ちは落ち込んでいき、そんな時バイト先の新聞広告で治験の存在を知りました。
その広告に託載されている症状はほとんど私にあてはまっていました。そのことを彼氏に相談すると話は聞いてくれましたが「今の状況がお前にとって、とても辛いのはわかるけど病気に逃げたら駄目だよ。うつ病なんかじゃないよ。」と言われ私が家事などで身の回りのことが出来ないのは私自身が怠けていると言いたい人だと思いとてもショックでした。

彼は「趣味をもったら?」とか「遊びに行こう」と言ってくれましたが、とてもそんな気分にはなれませんでした。

 それからも症状はどんどん悪化して何もしたくない友達にも会いたくないどうして私はこうなんだろう、どうして生まれてきてしまったんだろうと考えるようになりました。
彼に話しても「もっとがんばらないと」と言われ、私の気持ちをわかってくれない彼に対し八つ当たりをするようになりました。すると彼から「お前は俺にわかってわかってと言うけどお前は俺の気持ちや話をわかろうとしてるのか?」と言われ、こんなことを彼に言わせてしまう私がいけないんだと思うようになり、もうこの気持ちは死なないと誰もわかってくれないんじゃないかと思うようになりました。どうやって死のうと家の中で死に場所を探した事も何度かありましたが、やっぱり死にきれませんでした。
顔色もどんどん悪くなっていく私を見て彼が菊池病院の治験の話を調べてきてくれました。
診察予約の電話では治験コーディネーターの方がとてもよく話を聞いて下さり、もしかしたら治るかもしれない・・・・と思いました。病院へは彼も休みを取ってくれ一緒に行くことになりました。

 受診に行くことを両親に話すと「どうしてあんたはいつもクヨクヨするの!気の持ちようでしょう」と言われ必死に自分の症状を説明しましたが「じゃあ、どう接していけばいいの?」と言われ、ますます「私がいるから、お世話になっている両親にもこんな思いをさせているんだ」と悲しくなり、そんな思いを抱えて病院へいきました。

 診察では私の話をとてもよく聞いて下さり理解して下さいました。
うつ病についての説明を受け私には治療の必要があると言われた時は「ああ病気だったんだ、だったら治せばいいんだ」と少しホッとしたのを覚えています。
彼も先生と話をしてくれて、少しずつ理解してくれるようになりました。
治療では面接、投薬の他に自託式日記(1日の流れ、行動)を書くよう言われました。
最初は「こんなに辛いのにまだ自分の辛かったことを振り返らなければいけないのか」と思いましたが、書かなければいけないとなると、自然と「自分がなぜそう思ったのか」を知ることができるようになりました。
症状もすぐ良くなるということはありませんでしたが、主治医の先生や治験コーディネーターの方がいらっしゃることが心強く最初のうちは診察へ行くためにバイトや家事をがんばっていました。

 薬を開始してからも一時的な眠気、吐き気がおこることもありましたが、我慢できましたし落ち込むことはあっても「まあいいや」と少しずつですが思うようになってきました。

 だんだん気持ちも軽くなってきた頃、主治医の先生から「なぜ、うつ病になったと思いますか」と聞かれ「なぜだろう?」と思い答えることができませんでした。「私はこのまま良くなるんだ忘れているし」と喜んでいた時また以前のように人の目にどううつっているんだろう、仕事が遅いから悪口を言われているかも、皆に迷惑をかけている・・・・などの感情がおそってきました。
一瞬「やっぱり治ってなかったのか・・・・」と思いましたが、以前考えても考えてもどうにもならなかった事や考えすぎて辛かった頃の自分を思い出して「ここから先は考えてもどうしようもないな」こんな私も私だから仕方ないかと心から思えるようになりました。すると心がスッと軽くなって心にも余裕がでてきました。
そして周りの人にも以前より思いやりを持って接することができるようになり、そういう自分を自分で「できるじゃん!」とほめて納得していけるようになりました。
そういう私の姿を見て彼も両親も心から喜んでくれ私も嬉しかったです。

 今回、治験に参加させて頂いて今までの自分と本当に向き合えた気がします。
そして、自分の全てをきちんと認めようと思うことができました。
そうした結果うつ病になる前よりも少し心が成長したのではないかと思えます。
「完全に治す」というよりも「認める、許す」ということを自分自身ですることができたのはどんな時でも主治医の先生や治験コーディネーターの方が必ず支えてくれる、という安心感があったからでした。

 うつ病という病気は、かかったことがない人には理解されにくい病気です。
実際、私もかかってみて初めて気持ちだけで、どうにかできるものではないと心から感じました。だからこそ、うつ病にかかっていた自分を忘れないようにしようと思います。
これから生きていく上で、また様々な困難に出会うと思いますが、今回の経験を治かし立ち向かっていけたらと思います。

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