原井宏明の情報公開
原井のブログ〜やさしい精神科医療の選び方〜 OCDの会(自助グループ)
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パニック障害・全般性不安障害の行動療法カウンセリング

私たちが行っている行動療法カウンセリングは,エクスポージャーを中心に行います。1回が2,3時間のセッションを2,3回繰り返すことで,不安やパニック発作を恐れることがなくなることを目指します。ここは,パニック障害中心に書いています。全般性不安障害の方の場合には,パニック発作をご本人がもっとも恐れ,避けていることに置き換えれば同じことです。下痢や嘔吐,劣等感,疲労感,などがよく避けられていることです。

この行動療法カウンセリングの特徴

一般の認知行動療法とは異なり,積極的に不安や発作を起こすことを狙っています。内部感覚エクスポージャーと呼ぶ方法で,わざと動悸や息苦しさ,気分の悪さを経験するようにするのです。薬やリラクセーション,自律訓練,コーピングスキル訓練などで不安や発作を抑えるやり方とは,全く逆の方向を向いていることになります。全般性不安障害の方の場合には,不安や嫌な気持ちになることを調べ,それを受け入れることができるようにエクスポージャーを行います。合計2,3回のセッションで,パニック発作や不安にこだわり,避けることをやめられるようになります。

パニック障害の本質

ほとんどのパニック障害の患者さんは,「パニック発作は勝手に起こってくる脳の異常,自分には止めることも,やめることもできない,ならないように気をつけるしかない,なりそうになったら薬を飲むしかない」と思っています。これは半分本当で,半分間違いです。パニック発作が「勝手に起こってくる脳の働き,止めることもやめることもできない」,というのは本当です。「異常」と「ならないように気をつけるしかない,なりそうになったら薬を飲むしかない」が間違いです。

発作は異常か?

実は,パニック発作と同じような不安発作はうつ病の人にはよく見られます。一般の人にもよくあります。重いうつ病の人は,パニック発作を起こしても救急車を呼んだり,薬を飲んだりしません。発作が起こってもそのままにしている,慌てない,ということです。死にたいと思っておられる方であれば,心臓発作で死ぬとしても,それはむしろ本望ということになるからでしょう。一般の方にもあります。パニック発作が起こっても,変だなと思うだけで,そのままにしています。パニック発作が起こること自体は異常とは言えないのです。パニック発作を怖がり,起こらないようにいろいろ予防線を張っていることが,異常なのです。

では何が悪いのか?

本来は無害なパニック発作に敏感になり,それを押さえようとしたり,避けようとしたりすることです。体の具合,気分の悪さ,そのこと自体は頭でも,医学でもどうしようもないことです。気をそらしたり,眠ってしまったり,安定剤を飲めば,確かに一時的には気分の悪さから解放されますが,それは一時的です。なんどもすれば,次第に効き目も落ちていきます。発作から逃れよう,起こらないようにしよう,と努力することが悪循環を生み出し,余計に発作にとらわれるようになるのです。

ではどうすれば?

逆をすれば良いのです。パニック発作が来ると思ったら,「ようこそ発作さん,お待ちしていました。どうぞ,私の中にいらして,ゆっくりしていってください」とできるようになれば良いのです。意図的に発作を起こし,その発作に馴れるようにすることを内部感覚エクスポージャーと呼びます。

そんなの怖い!できない

当然です。怖いことをするのですから。怖いことをするために,行動療法カウンセリングでは,動機づけ面接の方法や行動活性化,活動スケジューリング,価値観並べ替え,などの方法を用います。怖いことを乗り越えた先には,明るい未来が待っていると思えるようにしていくのです。またグループを使い,他の患者さんと一緒に行う,他人が怖がっている様子をよく観察するようにする,などの方法を用いればできるようになります。

具体的なメニューは?

  • 通常の診察(保険診療範囲内)であらましを解説します。頓服の整理,セルフモニタリングの宿題を出します。
  • 頓服が不要になったら,グループ行動療法カウンセリングの予約をします。
  • グループで,体の具合が悪くなることに挑戦します。
    コーヒーを飲む。わざと薬を止める。過呼吸や息止め。椅子の回転,人間ヤジロベイなど
  • フォローアップ 再発予防訓練

そうするとどうなるのか

ある患者さんの感想文です。

「前は避けていた事でも、あえてチャレンジするようになり、前向きな気持ちとパニックを正面から受け止めれるようになってきました。
何かをするときは予期不安や後ろ向きな気持ちが出てきたり、構えてしまう事もあるけれど、それを無理に消し去るのではなく、今は前向きに考える事が出来るようになってきました。」
発作が来たら来たとき,来ても別に困らない,というようになります。発作よ,来てください,と思うようになれば,来なくなってしまうのです。

他の方の感想文は,ここにあります。

費用や予定

プログラムの説明,準備を随時,心理士が1時間かけて行います。予約が必要です。プログラムに入る心の準備ができた方には,月に1回のグループ行動療法カウンセリングに入っていただきます。次回は7月12日土曜日です。費用は保険診療以外に自費カウンセリング代がかかります。心理士の説明は10,500円,グループ行動療法カウンセリングは15.750円(税込み)がかかります。

Last updated: 12/19/2010 14:09:46
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