社会恐怖(社会不安障害・社交不安症) :叢書 実証にもとづく臨床心理学 不安障害の臨床心理学 2006

坂野 雄二 編, 丹野 義彦 編, 杉浦 義典 編 2006
叢書 実証にもとづく臨床心理学 不安障害の臨床心理学 Pp 55-74
東京大学出版会 ISBN978-4-13-011120-1, 発売日:2006年09月中旬, 判型:A5, 240頁

表題    社会恐怖(社会不安障害) 著者名 原井 宏明

Key Words 社会不安障害,社会恐怖,診断,症状,Comorbidity,鑑別診断,文化

Social anxiety disorder, social phobia, Taijin kyoufu-sho,medical anthropology, culture

はじめに

社会不安障害(Social Anxiety Disorder, SAD)は,不安障害の中では出遅れた疾患である。米国では1990年代までは“無視された疾患”であった(Sheeran & Zimmerman, 2002)。日本では対人恐怖として大正時代から治療が行われた歴史がある。そして,日本特有の文化依存症候群であると考えられていた。フランスでは100年前に現在の社会不安障害と同様な病態を記載し,段階的なエクスポージャーと似た方法で治療した研究者がいる(Fairbrother, 2002)。一方,内気,上がり症などの対人場面の不安を意味する言葉はどの言語にもあり,そのために悩む人はどの国にも昔からいた。今日,SADはどの国や文化にもあるありきたりの疾患である。研究の本数は著しく増加し,1991年以降の論文数は1990年までの論文数の合計を超えている。さて,1991年からの研究はSADについて,1990年までの研究にはなかった何を付け加えたのだろうか?

この小論ではこれらの問題の整理を試みる。そして同じ時期の日本語の文献を比較する。最後に,SADの研究者がどのような方向に進むべきかについて提案を行う。内容の紹介ではなく,論文数の統計を示すようにした。症状や診断,治療の具体的な内容の記載については触れない。

SADに対する日本と諸外国の研究の動向

l  レビューの方法

医学文献二次情報を利用することにした。2005年6月の時点で,医学中央雑誌,PubMed,PsychINFOを用いて,それぞれ,“対人恐怖”,“社会恐怖”または“社会不安障害”,“social phobia”または”social anxiety disorder”,をキーワードにもつ論文を検索した。医学中央雑誌については1981年から検索し,728件がヒットした。PubMedとPsychINFOについては1964年から検索し,さらに二つのデータベースを統合し,重複を除外した。合計7525件がヒットとした。これらの書誌データベースから研究の動向をさぐった。

検索する際に用いるキーワードについては最近の展望論文やSADに関する教科書的文献からよく出現する用語を手作業で選び出し用いた。原則として全文検索を行った。研究手法や論文の種類についてはそれらに応じたフィールドを用いて検索した。英語については1990年までと1991年以降とに分けて検索した。

l  論文の本数の動向

図 1に英語,日本語の論文の本数の動向を示す。英語では1980,92年に落ち込みがある以外は順調に増加している。日本語も同様である。

l  国別,年代別

PubMedとPsychINFOから,筆頭著者の住所によって国別の分類を行った。ただし,米国や英国在住者については国名がないことが多かった。このため手作業で選び出した。医学中央雑誌はすべて日本語である。表 1に1986年から5年ごとにまとめた国別の論文数を示す。

この表から次のことが分かる。1)アメリカの論文が最も多い。1996年は半分以上がアメリカからである。増加率も高い。20年間に10倍以上に増加している。2)オーストラリア,カナダ,イタリア,オランダは1990年以前から論文を出している。イタリアを除き,これらの国々も20年間に論文の数を増やした。3)それまでほとんど論文を出していなかったドイツ,スウェーデン,スペイン,フランス,ブラジルなどが1991年から論文を著しく増やしている。4)英国,日本,イタリアは,この20年間あまり変わっていない。他の国々と比べると控えめである。

これらをまとめると,英国連邦の国々と日本,オランダ,イタリアが伝統的にSADに興味をもっていたといえる。表には載せていないがインドも1989年から計6本出している。1991年からアメリカ人が本格的に乗り出し,合わせて他の国々も出し始めている。

このように1990年前後はSAD研究にとって節目の時期である。それまでの研究と1990年代以降の研究の違いは次の言葉で要約できる。SADという用語と米国人研究者,認知モデルによる精神病理学,認知療法,SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor 選択的セロトニン再取り込み阻害剤),神経生物学である。こうした変化は約10年遅れて日本にも波及している。

研究の方法にも革新がある。DSM-IIIのような操作的診断基準の出現とそれによる一般地域人口を対象にした疫学的研究,また治療に関しては認知行動療法による治療パッケージ,信頼できるプラセボ治療群を設定した無作為化比較試験(Randomized Controlled Trial, RCT)の増加と,それによって実証された治療(Empirically Supported Treatments, EST)の普及活動と治療の実効性に関する研究である。一方,同じような革新は日本では起こっていない。

テーマ別に研究の動向を調べるに当たり,英語の研究に関しては1990年と91年以降に分けて集計するようにした。日本語では同様な特定の節目とする年代はない。日本語論文のキーワード別の検索については1999年以降の325件の文献に対して行うことにした。

l  テーマ別

研究のテーマ別に論文を調べた。結果は表 2から表 6に示す。表 5 理論的研究の動向,病因や認知モデルなど,を除き,キーワードは日本語での出現順に並べている。日本語の理論的研究はほとんどなかった。

診断

診断に関する研究について表 2に示す。思春期,青年期,Comorbidity(合併精神障害)は日本語,英語どちらでも関心が高い。日本語では“引きこもり”や人格障害,精神病理に関心が高いのに対して,英語では広場恐怖や全般性不安障害に関心が高い。

英語では広場恐怖とschool phobiaの研究が減ってきた。一方,全般性不安障害と高齢者,そしてDSM診断基準上はSADと診断されない広汎性発達障害や外見の異常のある患者における社会不安に関する研究が増加した。英国連邦系の研究者にとって広場恐怖とSADとの鑑別は重要な問題であった。しかし,SADに関する研究が蓄積するにつれて発症年齢や有病率,家族歴,不安誘発テスト(provocative tests)への反応の点で違いが明らかになり,現在はComorbidityが問題になっている(Mannuzza et al., 1990)。1990年から注目を浴びるようになった全般性不安障害の場合は最初からSADとの合併が問題になっている(Mennin et al., 2000)。

SADのサブタイプ(亜型)の問題は,DSM-III-Rにおいて,全般型(Generalized subype)が取り入れられときから問題になっている。特に全般型は回避性人格障害との違いが乏しいこと,非全般型との違いは重症であることだけではないか,という批判にさらされてきた(Widiger, 1992)。回避性人格障害とSADについては,“comorbidity by committee”(委員会が作った合併症)という批判もある(Moutier & Stein, 1999)。SADと診断された患者を対象にさまざまな質問紙を施行し,因子分析を行うといくつかの因子が抽出される。その結果からSADにおけるサブタイプを提案するというタイプの研究が約90件ある。しかしこれらのサブタイプの中で治療反応性のような外的妥当性をもつまでに至ったものはない。また,解析の多くは重症度のような連続的次元モデルからも解釈できる(Stein & Deutsch, 2003)。DSM診断はカテゴリカルモデルに準拠している。しかし,SADに関しては他の社会不安を症状とする精神障害と連続性を持たせた社会不安スペクトラム(Social Anxiety Spectrum)のひとつとして考える方が良い,とする主張が2002年から見られるようになった(Schneier et al., 2002)。この中には場面緘黙や自閉性障害,アスペルガー障害,回避性人格障害,非定型うつ病,身体醜形性障害などが想定されている。

他人からみてすぐにわかる外見的問題がある場合,例えば,吃音やパーキンソン氏病に伴う振戦,本態性振戦,外見上の奇形,熱傷の瘢痕がある場合に社会不安があっても,これはSADと診断しないことが,DSMの決まりになっている。これらの患者における社会不安もSADに連続したものと考えたほうが良いとする主張がみられるようになった(Lauterbach et al., 2004)。表 2において“アスペルガー,パ-キンソン,斜頸,発達障害”がヒットした文献が該当する。斜頚(spasmodic torticollis)やパーキンソン氏病については単に外見上の問題から二次的にSADをきたすのではなく,生物学的共通性の可能性があることを指摘している論文がある(Gundel et al., 2001)。

不安障害の中でSADとの合併率が高いものは全般性不安障害(GAD)である。不安障害別の合併率について不安障害治療センターを受診した患者を対象にした報告がある(Brown et al., 2001)。ここではGADがSADとの合併診断の中で最も多い。うつ病性障害との合併はしばしば問題にされる。しかし,SADはOCDやGADと比べるとうつ病を合併する頻度が少ない。

SADの研究の歴史の中で新しく出現するようになった用語はSocial Anxiety DisorderとTaijin Kyofu sho,古典的対人恐怖である。SADは日本語,英語の双方にとって新しい。英語で初めて出現するのは,1996年のClarvitらによる,“The offensive subtype of Taijin-kyofu-sho in New York City: the phenomenology and treatment of a social anxiety disorder”である。英語圏の研究者にとっては,SADという言葉とTaijin kyoufu shoという言葉は同時に出現する用語である。一方,日本語では,2000年の貝谷らによる,“社会不安障害の生物学:線条体ドパミン仮説”である。日本の研究者にとっては,SADというは生物学的研究と同時に出現した用語である。ただし,Taijin kyofu shoが英語の論文で始めて紹介されたのは1979年のTanaka-Matsumi (Tanaka-Matsumi, 1979)による。この後10年間,Taijin kyofu shoは英語では現れない。

一方,日本語では2000年までは対人恐怖は対人恐怖以外にはなかった。しかし,DSM-III-Rの導入によって社会恐怖や社会不安障害という用語が入り,日本人にとっても対人恐怖との異同が問題になった。結果的には従来診断にて対人恐怖と診断される多くの患者がSADと診断されることに日本人の対人恐怖研究者も同意している(Yamashita, 2002)。一方,自分の視線や自己臭などが他人に不快感を与えると考える患者について,SADと診断することについて研究者によっては抵抗がある。このタイプの患者については対人恐怖をさらに分けて“古典的対人恐怖”と呼ぶ文献が2001年から見られる(松永,2001)。英語では,“Offensive subtype”と呼ばれている。自己臭恐怖は英語では心気症のひとつとして記述されているが,(Bishop, 1980)系統的な研究はない。

研究方法

研究方法について検索した結果を表 3に示す。ここでは英語と日本語の差は明確である。日本語の研究は325件の中から検索したが,そのうち約3分の1が症例報告であった。英語では約7分の1である。対照群をもつ研究は日本語では3本しかない。生物学や遺伝,疫学的研究は日本語では事実上ない。質問紙に関する研究は日本語が27件ある。これらは他の研究の基礎となるものである。評価尺度の使用頻度について表 4に示す。LSASは1991年以降に日本語と英語の双方でよく用いられるようになった。治療法の効果研究では事実上のスタンダードである。英語ではSPAIが最も良く使われている。この評価法は日本語にまだ翻訳されていない。

理論的研究

日本語では文化に関するものを除いて,オリジナルな理論的研究はほとんどなかった。このため,ここでは英語のみを集計し,表 5にまとめた。生物学的研究と認知モデルに関連する研究が著しく増加していることがわかる。

SADの認知過程についての研究は1985年ごろからある(Emmelkamp et al., 1985)。まとまったものになったのは1993年ごろである。このころ,複数の研究者(Stopa & Clark, 1993)によってSADの認知の特徴についてまとめられている。1995年,ClarkとWellsが認知モデルをまとめた(Clark & Wells, 1995)。これらは1)自己や相手に対する注意の向け方,2)解釈,3)記憶と再生,4)安全行動,の領域に分けることができる。self-focused attention(自己の行動,特に情動反応に過度な注意を払う), safety behaviors(情動反応を下げる目的の行動), selective retrieval strategies(記憶再生の偏り)などがある。他には,Self-presentation theoryが提案されている。これによれば,1)対人場面で自己を高く評価されたいという動機付け,2)それを達成する可能性に対する疑念,がSADの認知の特徴とされる(Leary & Kowalski, 1995)。SADの認知に関する研究はこのあと増加しているが,その後10年間には大きな変化はない(Heinrichs & Hofman, 2001)。

条件づけに関する研究は1990年以降は,以前と比べると減少している。5年ごとに見ると1971~5年が74件で最も多く,1991~5年が24件と最も少ない。従来,SADにおける不安反応の成因として社会場面での失敗による条件付け,他人の失敗を観察することによる代理条件付け・観察学習を通じて獲得されると想定されてきた。しかし,軽症の限局型の患者のほうが重症の全般型よりも社会場面の失敗経験が多い(Stemberger et al., 1995)ことから考えると,学習のヒストリーのみではSADの病因を説明できない。このため条件付けのパラダイムを利用した研究は行き詰った。しかし,1996年からは生物学的研究が条件付けのパラダイムを利用して行われるようになった。PETスキャンによって脳代謝を測定しながら,恐怖条件付けや馴化を行うもの(Veltman et al., 2004),また双生児研究と恐怖条件付けを組み合わせたものが現れるようになった(Skre et al., 2000)。生物学的研究の進歩によって恐怖学習の準備性を説明できるようになったと言える。

治療法

1990年代の治療研究はSSRIに代表される薬物療法とSADに対する認知モデル研究を臨床に応用した認知行動療法によって特徴付けられる。治療法について検索した結果を表 6に示す。これからは薬物療法と認知療法に関する論文が1991年以降に増加したことが分かる。行動療法やエクスポージャーは英語ではもともと多いだが,数は減少している。SADに対する行動療法,エクスポージャーは確立したものになり,新しい知見を出せなくなったためだと思われる。精神分析はもともと少ない上にさらに減少している。

日本語の特徴は森田療法が多いこと,認知療法が行動療法やエクスポージャーよりも多いことである。英語ではエクスポージャーや行動療法が1991年以降でも薬物療法の次に多いが,日本ではわずかしかない。日本語の論文は認知的技法を取り上げることが多く,エクスポージャーを軽視する傾向があることが分かる。

医療政策的研究

1990年代から増えてきている研究テーマのひとつが,医療政策的研究である。“managed care, health insurance, social policy, health care policy, economic, economy”のキーワードでヒットする研究が1990年以前に14本,91年以降に47本あった。SADは有病率が高いこと,日本では対人恐怖や上がり症に対する治療として民間ですでに行われていることから,有効な治療療法の普及,医療経済的研究が日本でも重要なテーマである。しかし,この問題をとりあげた研究は日本語ではごくわずかである。

まとめと将来の方向性

SAD研究の現在の問題点は,1990年以前から蓄積されていたSADの知見とこの10年間にもたらされた知見の間の違いが見た目ほどはっきりしないことである。1970年代から社会恐怖に対して脱感作やフラッディングなどの行動療法を行ってきた英国連邦系の研究者(Tyrer & Steinberg, 1975)には今日の集団認知行動療法の治療パッケージの治療効果が昔と比べてより優れているとは思えない。実際,エクスポージャーに認知技法を加えること,集団で行うことの治療効果上の優越性は不明である(Rodebaugh et al., 2004)。1970年台から仕事をしてきた精神薬理学研究者は,古くからあるモノアミン酸化酵素阻害剤(Monoamine Oxidase Inhibitors,MAOIs) の効果は新薬のSSRIを越えるものであることを知っている(Liebowitz et al., 1986)。

SADに関する研究は今は一時の盛り上がりから落ち着きをみせている。今後も変化はあると思われるが,1990年代から起こったほどの変化はないだろう。これからの研究は,今までに提案された概念,仮説,実験的治療,臨床試験にて効果があるとされた治療の実効性を確かめる時期になる。臨床場面ではSADの事例性と問題になる。以下,将来の問題となる個別のトピックを取り上げる。

l  研究対象の問題:社会不安スペクトラム,診断閾値,事例性

SADの診断にはあいまいさがある。他の不安障害やうつ病からの独立性はこの10年間の研究で確立したものになった。一方,人格障害の一部や発達障害,非定型うつ病などからの独立性は曖昧であり,社会不安スペクトラムとして考えたほうが良い。また,SADの臨床例として診断するためには患者本人の意向が大きく関与している。DSM-IVでは,クライテリオンCにて「その人は,恐怖が過剰であること,または不合理であることを認識している」と記載されている。社会場面での不安や緊張のために日常生活が限定的であっても,本人がそのことについて不合理を感じないならば,社会不安障害ではない。逆に軽症で普通の生活をしていても本人が不合理と感じ,治療を受けたいと感じるならば社会不安障害である。あるいはSADを主訴としない場合でも,SADがあることがアルコール依存症のような他の合併精神障害と関連しているならば,事例性をもつことになる。

患者が受診行動を起こす背景を調べると,SADの症状自体は青年期からあるが,当時は治療する必要は感じていなかったこと,進学や昇進,子どもの成長に伴う学校行事など,ライフステージにおける社会的役割を果たす必要がでてきたために治療を受けに来たことがわかる。対人場面における不安や恐

SADに対する研究は,SADの症状のために困っていると訴え,それを治したいと希望し,専門家を受診する人々を対象にしている。逆に言えば,SADの症状があり,対人場面を回避している生活をしていても,自分は困っていない,治す必要を感じない,と考えている人々はSADではない。言いかえれば,治療動機がSADの概念の重要な部分になっている。一方,既存の評価基準,重症度評価は不安症状と回避,それらに対する認知をターゲットにしている。

私たちのグループは近年,SADに対するSRIsの効果を知るためのプラセボ対照RCTに参加する患者を新聞広告などの方法でSADの患者を募集した。他の施設の患者も集めてSIAS,SPSの評価の因子分析を行った(Sakurai et al., 2005)。これらの研究を行って感じる問題点は,SADと診断される患者になるかどうかが,治験広告を見たかどうかに左右されることである。広告をみてSADを主訴として受診する臨床群と社会不安があっても治療動機をもたない非臨床群との間に,社会不安そのものに関する違いがあるとは思えない。SADの臨床群を研究するに当たっては,受療動機を評価する必要がある。また,SAD臨床群と非臨床群との間で,社会的地位などの人口統計的データをマッチさせ,症状や治療反応性を比較する研究が必要だと思われる。

l  理論的研究

認知に関する研究は,Clarkらが作ったモデルから10年間に大きな進歩がない。一方,強迫性障害についてはThought Action Fusion(TAF)やCognitive Fusionと呼ばれる思考過程がこの10年間の新しいトピックである(Rassin et al., 2001)。SADについてもTAFと同様な現象が見出される可能性がある。

恐怖の条件付けに関する研究については,この数年間,生物学や疫学と結びつけた研究が増加している。認知や条件付けに関しては複数のパラダイムを組み合わせた研究が今後をリードすることになるだろうと思われる。

l  薬物療法

薬物療法ではプラセボ対照RCTにてSSRIsがプラセボに優ることは確実である。SADにも生物学的基盤があり,薬物が治療効果をもつことは研究者の関心を引いた。しかし,実際の臨床における薬物療法の有用性の検討にはまだ時間がかかる(Stein et al., 2004)。

日本は新薬の導入が欧米よりも10年以上遅滞している。Sertralineのような海外では売り上げ高ではトップにはいる薬剤が日本では承認されていない。日本でも,ようやく,SADに対するFluvoxamineとParoxetineのプラセボ対照RCTが行われたこと,Fluvoxamineについては2005年7月現在,医薬品医療機器総合機構にSADに対する効能を申請中である。2006年からはSADに関する薬物療法の文献が増加すると思われる。

薬物療法については,SSRIなどの抗うつ薬や抗不安薬とはまったく異なる視点からの薬物がある。N-メチル-d-アスパラギン酸受容体の部分的アゴニストであるD-cycloserine はエクスポージャー中におこる恐怖反応の馴化を促進することが知られている。抗不安薬とは逆の結果をもたらすことになる。高所恐怖に対するエクスポージャーの効果を増強することをプラセボ対照試験で確かめられている(Ressler et al., 2004) 。SADにも応用の可能性がある(Birk, 2004)。

l  第三世代の行動療法,治療の統合

1990年代後半から第三世代の行動療法あるいは行動療法の第三の波と呼ばれる治療概念や方法が現れるようになった(O’Donohue, 1998)。Acceptance and Commitment Therapy(ACT) (Hayes et al., 1999)やDialectical Behavior Therapy(DBT) (Linehan, 1993),Mindfulness (Segal et al., 2002)と呼ばれるものがそれらの代表である。これらの行動療法に共通する特徴は,従来の行動療法があまり扱わなかった言語行動や価値観を中心に扱っていることである。ACTの場合は森田療法との表面的な類似性が高い。例えば“あるがまま”が,そのまま治療法の名称である“Acceptance”である。患者の不合理な認知に対して助言や説得を避けて逆説的方法を用いることや,不安障害やうつ病性障害を,正常な心の働きが過剰であることとして捉えることも良く似ている。一方,ACTとはルール支配行動に関する徹底的行動主義による研究から発展した応用行動分析である。第二世代の認知行動療法がよく用いる構成概念の利用を避けること,行動の機能やコンテキストを重視するところは,第一世代の行動療法への回帰でもある。ACTとHeimbergらの集団認知行動療法のSADに対する効果を比較した臨床試験がひとつある(Block, 2003)。

これらの方法の利点は個別の治療プロトコールを作る必要がないことである。Barlowらのグループが不安障害やうつ病性障害の全般について同じ治療プロトコールで治療する試みを始めている(Barlow et al., 2004)。1990年代以降の研究の特徴のひとつは,疾患をカテゴリー化し,その一つ一つについて疫学や精神病理を調べ,特有の認知や行動,病因,治療法を検討することであった。こうした研究法による知見の積み重ねは重要である。一方,伝統的な第一世代の行動療法は患者をカテゴリーにわける考えはなく,個別の患者に合わせたテーラーメイドの治療を行っていた。このような第一世代に戻る動きがあるといえる。

l  英語でも不在の研究テーマ“社会心理学,家族療法”

SADに関連があるように思われるにもかかわらず,あまり行われていない研究テーマがいくつかあった。それらの代表が,社会心理学,発達心理学,家族心理学,家族療法である。これらを取り上げた論文は英語でも数件以下しかない。Greenwood (Gergen, 2005)によれば認知や生物学,進化モデルに対する関心の高まりによって社会心理学から“社会”が消えてしまったという。SADの研究の増加と並行してこのような変化が起こっているのは皮肉である。SADが社会場面での認知や行動,情動の疾患であること,児童思春期から起こる性格特性と重なっていることを考えると,社会心理学や発達心理学の視点からSADを研究することは新しい可能性を産むと思われる。また,対人場面を回避し,限られた知り合いや家族としか交流のない患者に対する治療には家族療法からのアプローチの可能性があると思われる。青年期のSAD患者に対する家族療法を試みた研究がひとつある(Siqueland et al., 2005)。

最後に:日本の問題

日本語の文献は325本中183本が解説や特集のような展望論文であった。海外の研究の紹介にとどまり,オリジナルな研究が少ない。わが国の臨床心理学の歴史が外国の心理療法を輸入する受信型であることを示している。さらに問題であることは,これらの展望論文が海外の研究の動向を正確に反映していないことである。1990年以前からあった英国やカナダ,オーストラリア人が行った研究が反映されていない。日本語の論文は研究結果の普及のために欠かせない。日本語の展望論文が海外の研究動向を正確に反映する必要がある。

日本語では患者を対象にしたオリジナルな臨床研究はほとんどすべて症例報告であった。すなわち,研究計画書をつくり,研究倫理委員会の承認を得て,患者に同意説明を行い,系統的に経過を観察する症例観察研究やコホートスタディ,系統的に治療介入を行う介入試験や統制研究は行われていない。筆者のグループがSADに対するSSRIの治験を行ったときの自施設でのデータをまとめたものがある程度である(原井, 2003)。

SADの有病率に関するデータはほとんどのものが米国の疫学的研究であるECA研究(Anonymous, 1982) NCS研究(Kessler et al., 1994)を基にしている。このような疫学的研究はSADの病因に関する理論的研究や医療政策的研究の基礎になっている。日本に系統的な疫学的研究のプロジェクトがないことは他の研究の発展を妨げている。今後,日本の研究者が協力し疫学的な研究プロジェクトを立ち上げることが望ましい。SADは国境や文化を越えて存在しても,医療保険や医療制度は日本独自のものである。実際の患者に対してどのような医療を提供することが必要であるのか,医療従事者の教育・研修はどう行えば良いのか,などに関する医療政策的研究は他の国を参考にすることはできない。

SADは稀な奇病と思われていた時代は,1症例の治療経過をつぶさに観察し,詳細な記述を行うことが研究であった。しかし,いったん,SADがどこにでもあるありきたりのものと分かってしまえば,一例を観察するだけでは,新しいものは何も生まれない。日本の研究者にとっては研究手段の改革が必要である。表 1からみるようにSADに関心を持っている国は増加している。このままではブラジルにも追い越されてしまうかもしれない。

図 1 SAD関連論文の本数

fig1

表 1 SADの国別論文数

発行年 1986-1990 1991-1995 1996-2000 2001-2005 合計
USA 30 197 331 352 910
Canada 12 73 45 88 218
Netherlands 9 80 54 57 200
Australia 15 56 44 43 158
Germany 1 10 33 64 108
Sweden 2 23 28 33 86
Italy 11 22 17 21 71
UK, England 5 23 9 34 71
Spain 0 7 8 47 62
France 2 10 19 29 60
Japan 2 12 13 25 52
Brazil 1 2 5 23 31
Norway 4 9 3 13 29
South Africa 1 1 6 20 28
New Zealand 1 1 13 13 28
Finland 1 9 5 10 25
Israel 1 5 2 14 22
Denmark 3 9 1 4 17
Switzerland 0 4 2 9 15
Ireland 1 3 1 9 14
Turkey 0 1 0 13 14
Mexico 0 8 0 5 13
Austria 1 1 4 6 12
Korea 0 0 0 10 10

調査期間中に10本以上現れている国のみ示した。

その他の国では,Greece,Hong Kong,Iran,Russia,Saudi Arabia,Czech,Belgium,Singapore,China,Portugal,Taiwanがある。

表 2 診断に関する研究の動向

キーワード key word 英語~1990年 英語1991年~ 日本語
対人恐怖 Taijin 3 24 214
社会不安障害 social anxiety disorder 0 341 70
思春期,青年期 adolescent, child 1119 1107 75
合併,共存,comorbid Comorbid 25 780 34
引きこもり social withdrawal 2 15 31
人格障害 personality disorder 197 249 29
精神病理,症候論 psychophathology, symptomatology, 44 81 24
統合失調,分裂病 schizo, paranoi, psychosis 201 140 20
サブタイプ,分類 Subtype 23 195 19
登校(不登校,登校拒否) school phobia 115 28 19
自己臭恐怖 olfactory reference 1 4 13
高齢者,初老,老年 elderly, geriatric 17 32 9
全般性不安障害 generalized anxiety disorder 54 352 9
広場恐怖,空間恐怖 Agoraphobia 756 402 4
古典的対人恐怖,妄想型,攻撃型 offensive type 0 5 4
アスペルガー,パ-キンソン,斜頸,発達障害 spasmodic torticollis, aspeger, parkinson, developmental disorder 7 28 6

この他,自己臭,bodily odorsは英語は1,日本語は13,視線恐怖,opthalomophobia, scophobiaは0,8,緘黙,場面緘黙,mutismは46,0であった。

表 3 研究方法に関する研究の動向

キーワード key word 英語~1990年 英語1991年~ 日本語
症例報告,一例,一事例,一症例 case report, single case 632 364 95
対照群 controlled trial, controlled study 204 330 3
家族研究,家族歴,双生児 family study, family studies, family history, twin study 25 84 1
疫学 Epidemiology 122 560 7
質問紙,評価尺度,測定尺度 inventory, measure, questionnaire 467 1332 27

この他,遺伝,gene,genetic,hereditaryは英語は162,日本語は1,

表 4 評価尺度の動向

  英語~1990年 英語1991年~ 日本語
LSAS (Liebowitz Social Anxiety Scale) (Liebowitz, 1993) 0 115 6
SPS (Social Phobia Scale) (Mattick & Clarke, 1998) 6 121 2
SIAS(Social Interaction and anxiety scale) (Mattick & Clarke, 1998) 3 25 2
FNE(Fear of Negative Evaluation) (Watson & Friend, 1969) 25 71 2
SAD(Social Avoidance and Anxiety Scale) (Watson & Friend, 1969) 4 29 2
Brief Social Phobia Scale,BSPS (Davidson et al., 1991) 0 34 2
FQ (fear questionnaire) 14 41 0
SPAI(Social Phobia and Anxiety Scale) (Turner et al., 1989) 8 147 0

 

 

表 5 理論的研究の動向,病因や認知モデルなど

    英語~1990年 英語1991年~
生理学,脳波,電位 physiology, physiologic,EEG,potential, 297 482
セロトニン sertonin, 5-HT 22 317
生物学,レセプター,トランスミッター,神経伝達物質 biology,transmitter, receptor 45 144
文化 culture,cultural 48 112
条件付け conditioning 195 105
イメージング,MRI,SPECT,PET,画像 imaging, MRI, SPECT, CT, PET 12 92
ドーパミン dopamine 10 56
認知モデル cognitive model 1 49
扁桃体 amygdala 2 43
行動抑制 behavior inhibition, behavioural inhibition 3 33
認知バイアス,認知の歪み,認知的評価 cognitive bias, cognitive distortion, cognitive appraisal 5 27
自己効力感 self efficacy,self-efficacy 12 17

文化については日本語で18件あった。

表 6 治療法の動向

キーワード Key word 英語~1990年 英語1991年~ 日本語
薬物療法,薬物,薬理学 pharmaco 233 509 89
森田療法 morita therapy 2 3 48
fluvoxamine, フルボキサミン,paroxetine,パロキセチン fluvoxamine, paroxetine, fluoxetine, venlafaxine, citalopram, 2 214 39
認知療法,認知変容,認知再構成,認知修正 cognitive therapy, cognitive modification, cognitive restucturing 31 345 33
行動療法,認知行動療法 behavior therapy, behaviour therapy 1010 300 19
精神分析,内省指向,力動的,対象関係論 psychoanalysis,psychodynamic,insight oriented 83 48 13
集団行動療法,集団認知行動療法 behavior/behavioural therapy, and group 105 88 6
SST,社会技術,生活技能 social skill 16 89 5
リラクセーション,筋弛緩,自律訓練 Relaxation 228 53 6
エクスポージャー,エキスポージャー,暴露,曝露,脱感作 exoposure, flooding, implosion, desensitization 623 412 3

 

 

 

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